12月14日、J1参入プレーオフ決定戦が行われ、J1の湘南ベルマーレがJ2の徳島ヴォルティスと顔を合わせて1−1で引き分けた。勝敗が決しない場合は規定により、J1で16位の湘南が勝者となって来季のJ1残留を決めた。これでJリーグの今季の全日程が終了した。

湘南は今季J1で16位となり、プレーオフ決定戦に出場。一方、J2の4位だった徳島はプレーオフ1回戦で5位のヴァンフォーレ甲府と対戦し、1−1と引き分けた。こちらの場合も規定により、年間順位が上の徳島が2回戦に進出。6位のモンテディオ山形と戦い、1−0と勝利してプレーオフ決定戦に進んでいた。

埼玉関係で3位の大宮アルディージャは1回戦で山形と対戦。山形よりも年間順位が上のためホーム開催で、引き分けでも2回戦に進出できたが0−2で敗れた。大宮は73分、オウンゴールで先制点を献上し、82分に失点して2年連続のプレーオフ1回戦で姿を消した。来季はJ2で3年目を迎えることになった。

大宮はJ1自動昇格を決められなかったのが痛かった。残り4試合で自動昇格圏の2位に浮上したものの、その後に3連続引き分けで足踏み。3位だった横浜FCにかわされてプレーオフに回っていた。計15の引き分けはリーグで4番目に多く、それが最終結果に響いた形だ。来季は勝負を決する強さが必要になってくる。

来季は大宮の自動昇格が大前提だが、プレーオフ制度は変更になりそうだ。J1参入プレーオフへの参加クラブ数は変わらない予定で、J2の自動昇格を逃した4クラブが3位と6位、4位と5位で1回戦を争い、12回戦の勝者がJ1の16位との決定戦に進む。今季の試合会場は順位が上のクラブのホームで、90分間を終えて同点の場合は上位が次に進出した。

そこまでは来季も同じだが、J1の16位が参加する決定戦は「調整中」。J2はプレーオフを含めて年間45試合で、同35試合のJ1より多い。そのため、不公平さを問う意見もあった。今季、決定戦を戦った徳島のリカルド・ロドリゲス監督も試合後の会見で、プレーオフの大会方式に異論を唱えて話題となった。

来季のJ2はJ1から降格したジュビロ磐田、松本山雅が加わる。また現在、選手の移籍市場が活発で、より一層に混戦模様になりそうだ。大宮はベテランの契約満了が続き、若返りを図ってJ2優勝、J1昇格を目指す見込み。各チームとも年末、年始に掛けて契約選手が発表され、だんだんと陣容が明らかになってくるだろう。まずは、地元・大宮の動向に注目したい。

(「埼玉蹴球百花繚乱」松澤明美)