J2リーグは11月24日、最終節の11試合を行い、今季の全日程が終了した。1節前の11月16日に柏レイソルが優勝してJ1昇格を決めており、残り1枠の自動昇格は2位の横浜FCが手中に収めた。横浜FCは13シーズンぶりのJ1復帰。埼玉関係の大宮アルディージャは3位で、2年連続のJ1参入プレーオフに回ることとなった。

大宮アルディージャが自動昇格に望みをつなぐにはツエーゲン金沢戦の勝利が絶対条件。勝ち点74で3位の大宮が同46の横浜FCを上回るには、大宮が勝ち、横浜FCが愛媛に負けるか、引き分けても得失点差の争いとなり、3得点以上で勝たないといけなかった。

厳しい条件をクリアするため、大宮アルディージャは立ち上がりから積極姿勢を見せた。前への意識を打ち出し、前半の14分には渡部大輔の左クロスが相手DFに当たってオウンゴールとなって先制。好スタートを切ったが、その後は追加点が奪えない時間が続く。決め手を欠いていると、71分に金沢の清原翔平に同点弾を入れられて引き分けた。

一方、横浜FCは32分に皆川佑介のPKで先手を取り、52分には齋藤功佑が加点して愛媛を引き離した。また、この試合でキングカズこと三浦知良が後半42分に途中出場し、自身の持つJリーグ最年長出場記録を52歳8カ月29日に塗り替えた。

大宮アルディージャは12月1日、ホームのNACK5スタジアム大宮で行われるJ1参入プレーオフ1回戦に臨み、6位のモンテディオ山形と対戦する。大宮アルディージャは昨季、J1参入プレーオフ1回戦で東京ヴェルディに敗れ、1年でのJ1復帰を逃した。今季は同じ憂き目には合いたくない。万全の態勢を整えて、モンテディオ山形を迎え撃ちたい。

もう一つのJ1参入プレーオフ1回戦は4位の徳島ヴォルティスと5位のヴァンフォーレ甲府の顔合わせになった。徳島は最終節でレノファ山口を3−0で制し、ヴァンフォーレ甲府はFC琉球を2−0で退けて、それぞれ勝ち点3を積み上げた。

大宮と戦うモンテディオ山形はFC町田ゼルビアに1−2と競り負け、ファジアーノ岡山に1−0で勝利した水戸ホーリーホックと勝ち点70、得失点差19で並んだ。得点数の勝負となり、モンテディオ山形は59得点、水戸ホーリーホックは56得点と山形が上回って6位につけた。

7位となっった水戸ホーリーホックは大宮アルディージャからの期限付き移籍組の清水慎太郎、黒川淳史が先発。あと1点が取れていれば得失点差でモンテディオ山形をかわし、6位にすべり込めただけにわずかな差に涙をのんだ。

(「埼玉蹴球百花繚乱」松澤明美)