J2リーグも残り5試合となったが、昇格争いは混戦が続く。首位の柏レイソルは勝ち点72で独走している。残り1枠の自動昇格圏をめぐって、2位のモンテディオ山形と3位の横浜FCは勝ち点64で並び、4位の大宮アルディージャが勝ち点63、5位の京都サンガF .C .が勝ち点62、6位の水戸ホーリーホックは勝ち点61と僅差の戦いだ。大宮は台風19号の影響で1試合少なく、その影響がどう出るかが鍵。

この6チームの顔触れは第25節からほとんど変わらず、第35節で一度、水戸が7位に後退しただけで熾烈な競争を繰り広げている。このまま行けば第42節の最終節まで決着つかずの様相で、今後の対戦相手を見てももつれ込んだままだろう。

6チームのこの先は、柏がアビスパ福岡、大宮、鹿児島ユナイテッドFC、FC町田ゼルビア、京都とぶつかり、大宮と京都の昇格候補2チームが含まれて火花散る。山形は愛媛FC戦後、水戸、V・ファーレン長崎、レノファ山口FC、町田。最大のヤマ場は水戸か。

横浜は東京ヴェルディ、長崎、徳島ヴォルティス、ファジアーノ岡山、愛媛FCと難敵ぞろい。大宮はFC琉球、柏、福岡、栃木SC、アルビレックス新潟、ツエーゲン金沢。そのうち、柏、福岡、栃木は中3日の3連戦で、そこで勝ち点を稼げば昇格がグッと近づく。

京都は新潟、ヴァンフォーレ甲府、琉球、ジェフユナイテッド千葉・市原、柏。J1経験チームとの対戦が多く、険しき道が予想される。水戸は徳島、山口、愛媛、鹿児島、岡山。特長が近い徳島戦の結果が今後を占う。6チームとも上位直接対決が控え、一つも取りこぼせない。例年以上の激戦で見ている方は面白い展開になっている。

また、6位以内のプレーオフ圏内争いも熱戦中。7位の徳島、8位の岡山、9位の甲府あたりまでが絡みそう。徳島は6位の水戸と同勝ち点61と得失点差が違うだけで、8位の岡山が勝ち点60、9位の甲府が勝ち点58とプレーオフ圏内に食い込む可能性は十分にある。

J3降格圏争いは、ほぼ3チームにしぼられてきた。20位の鹿児島は勝ち点32、21位の栃木は勝ち点30、最下位で22位のFC岐阜が勝ち点29と苦境に立つ。

埼玉マニア的に気になるのは大宮と水戸。ここまで並走してきた両チームは縁が深い。現在、大宮から水戸に清水慎太郎と黒川淳史が期限付き移籍中だ。2人とも水戸にとって攻撃の欠かせない選手として活躍する。

大宮には元水戸の笠原昂史、小島幹敏が在籍。10月6日の直接対決は契約上の理由で清水と黒川は出場できなかったが、前半で水戸が2−0とリードし、後半は大宮が3点を返す大逆転劇だった。切磋琢磨を続ける両チームの動向に注目したい。

J1昇格の行方はいかに? 今週末の第38節から見ても十分に楽しめる展開だ。

(「埼玉蹴球百花繚乱」松澤明美)