駅伝はタイムにより、区間順位が決まる。しかし1区以外は基本、時差スタートとなり、レース状況が変わってくる。各選手が同じ条件で走るわけではないため、区間タイムや区間順位だけでは読み取れない個々の評価があってもいい。そこで駅伝ファンのために、各選手の〝走り〟を「採点」する。

出雲駅伝は〝5強〟の争い? 区間オーダーからレースを予想する

今回は令和最初の学生駅伝となった10月8日の出雲駅伝だ。トップ5に入った大学を対象に実施した。
※ジャッジは10.0点満点で【7.0】を平均値として評価しています(サッカーと異なり、基本は5.0~9.0の間で採点)。
記録の詳細については、「第31回出雲全日本大学選抜駅伝競走ホームページ」をご参照ください。

1位 國學院大 2時間09分58秒【48点】
1区藤木宏太(2年)⑤24:29【8.0】
2区中西大翔(1年)③16:21【7.5】
3区浦野雄平(4年)③23:57*【8.5】
4区青木祐人(4年)⑤17:45【7.5】
5区茂原大悟(4年)⑤18:21【7.5】
6区土方英和(4年)①29:05【9.0】

2位 駒大 2時間10分06秒【47.5点】
1区山下一貴(4年)②24:23【8.0】
2区伊東颯汰(3年)④16:26【7.5】
3区田澤廉(1年)②23:54*【8.5】
4区小林歩(3年)③17:30*【8.0】
5区中村大成(4年)③18:03【7.5】
6区中村大聖(4年)④29:50【8.0】

3位 東洋大 2時間10分09秒【47.5点】
1区西山和弥(3年)⑩24:41【7.5】
2区大澤駿(3年)②16:20【7.5】
3区相澤晃(4年)①23:46*【9.0】
4区宮下隼人(2年)④17:43【7.5】
5区今西駿介(4年)②17:59【8.0】
6区定方駿(4年)③29:40【8.0】

4位 東海大 2時間10分18秒【47.5点】
1区西川雄一朗(4年)④24:28【8.0】
2区阪口竜平(4年)⑥16:37【7.5】
3区塩澤稀夕(3年)⑥24:09*【8.0】
4区市村朋樹(2年)②17:29*【8.0】
5区鬼塚翔太(4年)④18:12【7.5】
6区西田壮志(3年)②29:23【8.5】

5位 青学大 2時間10分51秒【47.5点】
1区湯原慶吾(2年)⑦24:35【8.0】
2区岸本大紀(1年)①16:16【8.0】
3区𠮷田圭太(3年)④23:58*【8.5】
4区神林勇太(3年)①17:24*【8.0】
5区竹石尚人(4年)⑥18:36【7.0】
6区中村友哉(4年)⑤30:02【8.0】

出雲駅伝2018のMVPは誰だ? トップ3の全選手を「採点」する

MVPは初優勝を飾った國學院大のアンカー・土方英和(4年)を選びたい。4位から大逆転を演じただけでなく、タイムも素晴らしかったからだ。6区の日本人最高で、青学大・一色恭志(当時3年)の記録を6秒上回った。埼玉栄高時代の土方に逆転された駒大・中村大聖(4年)のタイムも悪くなく、昨年6区で区間賞を獲得した東洋大・𠮷川洋次(当時2年)と3秒しか変わらなかった。

6人が区間記録を上回った3区は、現在のコースとなって5年目。区間新の評価は難しいところだが、トップ争いを演じた4人には8.5以上の評価をつけた。そのなかでも区間賞を獲得した東洋大・相澤晃(4年)は土方と同じ9.0とした。

今回は4区と5区が好タイムで、逆に2区のタイムが伸びなかった。その分も評価に反映させている。

学生駅伝の「採点」は2年目に入ったが、まだまだジャッジに戸惑う部分が少なくない。それでも、今後も続けていきたいと思っている。皆さまに、駅伝をより深く理解していただき、選手たちの頑張りを新たな数値で感じていただければ幸いだ。

(「学生駅伝STORY」酒井政人 )