明日(10月14日)、学生三大駅伝の初戦となる出雲駅伝が開催される。出雲は1区 8.0km、2区5.8km 、3区8.5km、4区6.2km、5区6.4km、6区10.2kmという距離設定。全日本、箱根と比べて距離が短く、「スピード駅伝」と呼ばれている。区間数も少ないため、3区終了時でレースの行方が見えてくる。

箱根駅伝ランナー番付表2019年夏

大会前日となる本日、区間エントリーが発表された。今回は東海大、青山学大、東洋大、駒大、國學院大の5校に優勝のチャンスがあるのではと予想する。そこで有力校のオーダーから当日のレースを展望してみたい。
※オーダーの詳細は「出雲駅伝公式サイト」でご確認ください。

  【東海大】
1区西川雄一朗(4年)
2区阪口竜平(4年)
3区塩澤稀夕(3年)
4区市村朋樹(2年)
5区鬼塚翔太(4年)
6区西田壮志(3年)

  【青学大】
1区湯原慶吾(2年)
2区岸本大紀(1年)
3区𠮷田圭太(3年)
4区神林勇太(3年)
5区竹石尚人(4年)
6区中村友哉(4年)

  【東洋大】
1区西山和弥(3年)
2区大澤駿(3年)
3区相澤晃(4年)
4区宮下隼人(2年)
5区今西駿介(4年)
6区定方駿(4年) 

  【駒大】
1区山下一貴(4年)
2区伊東颯汰(3年)
3区田澤廉(1年)
4区小林歩(3年)
5区中村大成(4年)
6区中村大聖(4年) 

  【國學院大】
1区藤木宏太(2年)
2区中西大翔(1年)
3区浦野雄平(4年)
4区青木祐人(4年)
5区茂原大悟(4年)
6区土方英和(4年) 

箱根王者でトラックのスピードナンバー1の東海大は主将・館澤亨次(4年)を故障で欠いた。さらに9月29日の東海大記録会5000mで14分00秒35の關颯人(4年)と14分01秒58の小松陽平(4年)を外してきた。両角速駅伝監督は「出雲と全日本は箱根駅伝を見据えて戦いたい」と話しており、〝ベストメンバー〟というわけではない。

青学大は鈴木塁人(4年)と吉田祐也(4年)、東洋大は渡邉奏太(4年)と𠮷川洋次(3年)がメンバーから外れており、選手層の薄さが最終6区の人選に表れている。

〝3強〟が主力を欠いたなか、駒大と國學院大はほぼ順当な顔ぶれがオーダーされた。そのため、今回は〝5強〟の争いとなるだろう。

駒大は安定感のある山下を1区に起用して、3区に9月22日の日体大長距離競技会5000mでU20日本歴代10位となる13分41秒82を叩き出した田澤を抜擢。6区にはユニバーシアードハーフマラソン銀メダルの主将・中村大聖を配置した。

國學院大も1区に日本インカレ1万m4位(日本人2位)の藤木、3区に同5000m5位(日本人2位)の浦野、6区に同1万m3位(日本人1位)の土方と主要3区間のバランスが非常にいい。

両校は最終6区の攻撃力が高く、東海大、青学大、東洋大と20秒差なら十分に追いつくことができる。なお中村と土方は埼玉栄高時代のチームメイト。駒大が優勝すると6年ぶり4回目、國學院大は10位が過去最高順位で初優勝となる。

とはいえ、勝負のポイントは3区終了時のタイム差になるだろう。昨年は青学大が3区終了時で2位以下に36秒以上の差をつけて、逃げ切った。今回の戦力を見ると、4~5区は東海大、青学大、東洋大の実力が拮抗しており、駒大と國學院大はやや落ちる。

東海大は2区阪口でトップに立ち、3区塩澤のスピードを生かしたい。最終的には5区鬼塚でセーフティーリードを奪うのが勝つための戦略になる。青学大は後半の戦力を考えると、3区𠮷田で首位を固めたい。東洋大も3区相澤でトップを駆け抜けたいが、そのためには昨年の全日本から安定感を欠く西山の走りがポイントになる。

駒大は3区に起用されたスーパールーキー田澤が快走できるのか。國學院大は3区のエース浦野でリードを奪い、ライバル校にプレッシャーをかけたい。

いずれにしても大混戦が予想される出雲駅伝。〝令和最初の戦い〟を制すのはどの大学か。

(「学生駅伝STORY」酒井政人 )