競技力を伸ばす上で、心理面を強化するための練習がメンタルトレーニングになります。自分自身の心理面で弱い部分を認識し、克服に向けてトレーニング技法を選択し、それを継続して行うことにより心理的スキルを獲得することができるようになります。

しかし、興味はあっても実際にメンタルトレーニングを行ったことのある人は少ないのではないでしょうか。にもかかわらず、スポーツ選手が試合後に述べる敗因として心理的な弱点を挙げることは少なくないですし、スポーツを行うのであればベストな心理状態で臨みたいと思うでしょう。

それらを改善させるために、メンタルトレーニングを実践する必要があるのです。

これまでに挙げた記事では緊張をコントロールするトレーニング、集中力をつけるトレーニング、目標設定でモチベーションを高める方法を紹介してきました。次回以降では、そのほかにもあるメンタルトレーニングを紹介していこうと思います。

メンタルトレーニングは比較的に簡単にできるものが多いですが、それができたからといってすぐに心理的スキルが身につくものではありません。技術トレーニングや体力トレーニングのように、継続することによって身についていくものなのです。また心理的スキルが身についても、自分が持つ力以上のものが発揮されるものではない、ということも心に留めておいてください。自分の持つ力をできる限り発揮させるための方法なのです。

※『note』より加筆・修正。

(「パフォーマンスを上げるためのスポーツ心理学」松山林太郎 )