以前にサッカーJ2の埼玉県高校サッカー出身者を取り上げたが、今回はJ1からも探し出してみたい。J1は第16〜17節の前半戦が終わり、1位FC東京、2位川崎フロンターレ、3位横浜F・マリノスが上位でしのぎを削っている。下位チームとは勝ち点差がだいぶ開き、これからくつがえすのはなかなか難しそうだ。6月末現在の順位別に埼玉県高校サッカー出身者を紹介したい。

サイタマ的サッカー観戦術のススメ J2編

1位【FC東京】該当者なし
2位【川崎フロンターレ】GK新井章太(正智深谷)、MF原田虹輝(昌平)
3位【横浜Fマ・リノス】MF中川風希(武南)
4位【大分トリニータ】FWオナイウ阿道(正智深谷)
5位【鹿島アントラーズ】該当者なし
6位【北海道コンサドーレ札幌】該当者なし
7位【セレッソ大阪】DF片山瑛一(川越)
8位【名古屋グランパス】該当者なし
9位【サンフレッチェ広島】MF松本泰志(昌平)
10位【ベガルタ仙台】該当者なし
11位【ヴィッセル神戸】該当者なし
12位【浦和レッズ】該当者なし
13位【ガンバ大阪】該当者なし
14位【清水エスパルス】該当者なし
15位【湘南ベルマーレ】MF菊地俊介(伊奈学園総合)、GK富居大樹(武南)
16位【サガン鳥栖】該当者なし
17位【松本山雅FC】MF町田也真人(埼玉栄)
18位【ジュビロ磐田】MF針谷岳晃(昌平)

J1の埼玉県高校サッカー出身者は計10人(※松澤調べ)。GK2人、DF1人、MF6人、FW1人。J2は守備的選手が多かったが、J1になると攻撃的選手がほとんど。学校別にみると、昌平3人、正智深谷2人、武南2人、川越1人、伊奈学園総合1人、埼玉栄1人だった。新興私立の昌平勢が最多で県内での勢いが反映されている。また、広島の松本はコパアメリカブラジル2019でフル代表に初めて選ばれた。東京五輪世代が中心のチームで今後の飛躍が楽しみだ。

個人的に寂しい点は地元・浦和レッズに埼玉県高校サッカー出身者がいないこと。埼玉県出身者も登録32人中6人で全員が浦和の下部組織育ちだった。

直近7月6日のリーグ第18節での埼玉県高校サッカー出身者対決は、横浜F・マリノスVS大分トリニータ(ニッパツ19時キックオフ)のみ。中川とオナイウがメンバー入りするかは流動的だが出場を心待ちにしたい。

余談になるが、現在の埼玉県高校サッカー界には有望な選手も多い。7月25日から沖縄県で始まる全国高校総体には西武台が4年ぶりに出場する。これまで埼玉県代表は2校だったが今年から1校のみとなり、西武台は熾烈な争いをくぐり抜けて切符を手にした。選手個々の実力は十分にあり、高校総体での活躍がプロ入りのきっかけになるかもしれない。結果を見守りながら青田買いにいそしむのも観戦の醍醐味の一つだろう。

(「埼玉蹴球百花繚乱」松澤明美 )