多くのファンを魅了する箱根駅伝。10区間217.1kmのレースには幾多の物語が詰まっている。これまでに95回もの継走が繰り広げられたが、年によってレースのレベルは異なる。では、いつの時代の箱根駅伝が〝ハイレベル〟だったのか。そんな幻想に思いをはせるファンは少なくないだろう。

大会ごとにレース展開、気象条件が異なるため、タイムだけでは判断できない。そこで各大会の「4年生ベスト16」を選出して、架空のレースをしてみたい。アスリートたちは同学年に強いライバル意識を持ち、年下には負けらえないという気持が強い。もし全員が〝同学年〟だったとしたら、どの年代が強いのか。そんな空想(ファンタジー)を楽しむことができるのではないだろうか。

ファンタジー箱根駅伝、青学大が4連覇を達成した2018年大会の「4年生ベスト16」

今回は青学大が3連覇&3冠を成し遂げた2017年大会(第93回)だ。
※リザルトは関東学連サイト「総合公式記録」をご参照ください。

なお「選考基準」は以下の通り。
・箱根駅伝の結果(4年間)を最重視
・その他の大会結果なども考慮
・4年時の実力で最高の状態だと想定
・留学生は対象外
・区間コースは現行のものとする

2017年大会の「4年生ベスト16」
1区服部弾馬(東洋大)28.55.31
2区一色恭志(青学大)28.23.40
3区秋山雄飛(青学大)28.58.93
4区中谷圭佑(駒大)28.17.56
5区大塚祥平(駒大)29.07.01
6区秋山清仁(日体大)28.55.61 
7区口町亮(東洋大)28.42.36
8区池田生成(青学大)28.51.31
9区武田凜太郎(早大)29.04.20
10区作田直也(順大)29.26.15 
補欠 櫻岡駿(東洋大)28.22.97
補欠 佐藤孝哉(山梨学大)28.26.70
補欠 平和真(早大)28.46.04
補欠 石橋安孝(東海大)28.52.69
補欠 西山雄介(駒大)28.58.01
補欠 鈴木洋平(早大)29.19.76
※タイムは大学時代の1万m自己ベスト

【選考理由&メモ】
・1区は全日本、箱根で区間賞を獲得している服部弾馬(東洋大)。3年時の日本インカレ5000mでケニア人留学生をぶっちぎったスピードが魅力だ。
・2区は3年連続で〝花の2区〟を好走した一色恭志(青学大)。全日本の最終8区では、1分07秒差を大逆転している。なお一色と服部は高校時代(仙台育英→豊川)の同級生だ。
・3区は2年連続で区間賞を獲得した秋山雄飛(青学大)。箱根に向けてのピーキングは素晴らしかった。
・4年時の箱根は良くなかったが、学生駅伝で4度の区間賞を獲得している中谷圭佑(駒大)を4区に起用した。万全な状態であれば破壊力は十分ある。
・5区は2年連続で山を好走した大塚祥平(駒大)。
・6区は「山下りの神」と呼ばれた秋山清仁(日体大)。2年連続で区間記録を樹立している(58分09秒、58分00秒)。
・アグレッシブな走りを見せた口町亮(東洋大)を7区、上りに強くスタミナのある池田生成(青学大)を8区、全日本(2位)と箱根(3位)の1区で活躍した武田凜太郎(早大)を9区に配置した。
・作田直也(順大)は10区で区間賞、前年も同区間で区間2位と好走している。
・補欠には1万28分20秒台のタイムを持つ櫻岡駿(東洋大)と佐藤孝哉(山梨学大)。学生駅伝で存在感を発揮した平和真(早大)、石橋安孝(東海大)、西山雄介(駒大)、鈴木洋平(早大)を選んだ。
・他に石川颯真(日大)、蜂須賀源(國學院大)、井戸浩貴(早大)、内田直斗(帝京大)、上村純也(山梨学大)、森田清貴(上武大)、丸山竜也(専大)、石井秀昂(国士大)らが同学年になる。

9~10区のパンチ力はないが、1、2、3、6区には〝スペシャリスト〟といえる選手がいる。その他の区間も含めて、適材適所のオーダーになったのではないだろうか。

(「学生駅伝STORY」酒井政人 )