FISUワールドユニバーシティーゲームズの日本代表選手選考を兼ねた日本学生ハーフマラソン選手権大会が東京都・立川市で開催された。

優勝は國學院大のルーキ・平林清澄。

10km過ぎはまだ15名ほどで形成する先頭集団で後方に位置していたが、徐々にスピードを上げて15km地点を先頭で通過する。その後も後続を引き離して、2位以下に10秒以上の差をつける1時間1分50秒でフィニッシュした。

この記録で学内ハーフマラソン歴代記録3位にランクイン。出雲駅伝で國學院大が初優勝した時のエース、土方英和(現・HONDA)や浦野雄平(現・富士通)よりも上位となる。

平林は福井・美方高時代、2年時にインターハイ5000mと全国高校駅伝1区に出場。3年時はインターハイがコロナ禍で中止、また全国高校駅伝は出場権獲得ができずに全国の舞台には恵まれなかった。

しかし國學院大に進学した4月、日体大長距離競技会10000mでいきなり28分38秒26をマークする。7月にはホクレン・ディスタンスチャレンジ網走大会で28分38秒26と自己記録を更新した。

迎えた駅伝シーズン、平林は出雲駅伝でアンカーとして学生駅伝デューを果たす。惜しくもゴール直前で猛追してきた東洋大にかわされて4位になる悔しい思いをしたが、一時は単独2位を突っ走った(区間5位)。

全日本大学駅伝では17.6kmある7区で8位から順位をひとつ上げる区間3位の走りでアンカーで区間賞を獲得する伊地知賢造(2年)にタスキを託した。箱根駅伝では9区を担い、10位でタスキを受け取ると5位まで順位を押し上げて区間2位。従来の区間記録に6秒差まで迫った。

振り返ってみれば、1年生ながら3つの駅伝全てで5本の指に入る安定的な走りを見せたのだ。

そして今日、日本一ハーフマラソンが速い学生の称号を手にした。6月には内定したFISUワールドユニバーシティーゲームズで日本代表のユニフォームに身を包む。

トップランナーとしてもうすぐ迎える2022年のトラックシーズン。ロードの強さは折り紙付きだが、トラックでの活躍も楽しみだ。

(「学生陸上スポットライト」野田しほり )