6月24日から第105回日本選手権と併催されいているU20日本陸上競技選手権大会。本年から長距離種目の4種が追加され、初日にはU20男子5000mが行われた。2002年1月1日から2005年12月31日までに生まれて、参加標準記録の14分05秒00を突破、もしくは日本陸上競技連盟強化委員会強化育成部が承認した20名の選手が出場。青学大からは5名のルーキーが参戦した。

学内の5000mランキングで上級生を抑えて1位、2位に並ぶ若林宏樹と鶴川正也、4位にランクインしている野村昭夢。そして5月の関東インカレ男子2部5000mで日本人6位でフィニッシュした太田蒼生と、絆記録挑戦会でベストを更新した白石光星だ。

会場となった大阪市・ヤンマースタジアム長居では心地良い風が時折吹く中でのスタート。序盤は中大の東海林宏一や山平怜生が先頭を引っ張る。青学の5選手はその後方につく状態で進んだ。

レースが動いたのは残り2000mに差し掛かろうとしたときだ。それまで集団の後方に位置していた鶴川が集団の前方に踊り出たのと同じタイミングで青学大の5選手と緒方澪那斗(市立船橋高)がペースを上げて、他選手の前に出た。どんどん後続の選手を離し、フレッシュグリーンの塊が一列になって走る姿はまるで学内の練習を見ているかのようだった。

残り400mで太田が先頭に立ち、後続を引き離そうとするが、鶴川も譲らない。鶴川が飛び出したのは残り100mほどになったときだった。猛烈なラストスパートで誰も寄せ付けずにそのままフィニッシュ。太田、野村が続いてゴールし、13分台をマークした青学大が表彰台を独占した。

今季は1年生の活躍が目覚ましいが、チームとしても好調だ。関東インカレで男子2部1万mで入賞した近藤幸太郎(3年)や男子2部ハーフマラソンでタイトルを獲得した西久保遼(3年)と勢いが止まらない。

ルーキーたちはこれから迎える夏合宿で、箱根に向けてさらに長い距離を走る練習を積むだろう。長い距離に適応することが必要となってくるが、三大駅伝のエントリーを考えると原晋監督はすでに笑みが止まらないのかもしれない。

(「学生陸上スポットライト」野田しほり)