関東学連に加盟している大学が参加する対抗戦の関東インカレ。トラック種目、フィールド種目、ハーフマラソンの各種目上位8名に得点が与えられ、学校ごとの合計点で総合優勝や、1部昇格・2部降格争いが4日に渡って繰り広げられる。

 今年は明大が男子2部の総合2位となり1部に昇格を決めた。トラック種目では明大がトップ。1500m5000m10000m、ハーフマラソンの4種目で得点を稼ぎ、長距離選手が大きく貢献した。

2018年、当時のエース・阿部弘輝(現・住友電工)が最終日の5000mで3位に食い込み、6点を獲得。1点差で1部残留を決めたとき、競技場で阿部をたたえる声を数多く耳にした。

明大が降格となったのは翌年の2019年。5000m10000m、ハーフマラソンで6点を稼いだもの、残留には至らなかった。

昨年は新型コロナウイルスの影響で対抗戦が行われず、今年の戦いは〝1部復帰〟がミッションだった。

 初日のハーフマラソンでは今年の箱根駅伝出場を逃した小澤大輝(3年)が5位入賞。非公認(20.8km)ながら1時間2分33秒と、自身のベストタイム1時間4分55秒から大きく飛躍する走りを見せた。

続く10000mでは鈴木聖人と手嶋杏丞の4年生コンビが4位と7位でフィニッシュ。鈴木は280924、手嶋が281370とともに自己ベストを更新した。

2日目は1500mで近藤亨(3年)が4位でゴール。0.05秒の僅差で表彰台を逃す、悔しい入賞となった。

最終日の5000mは鈴木と富田俊平(3年)が5位と8位でチームに5点をもたらした。鈴木は135621、富田は14分2秒41。箱根駅伝上位校が多く、有力選手も多く集まる1部のレースと比較しても、鈴木と富田のタイムは引けを取らない。鈴木は1部でも5位、富田は7位に匹敵する。

今回2種目で活躍した鈴木が初めて関東インカレに出場したのは1年のときだった。阿部とともに1部5000mに出場。そのときは24位と振るわなかったが、最終学年を迎えた今年はエースとして活躍するまでに成長した。

短距離種目やフィールド競技も得点に影響するが、1部に残留したとき、エース阿部の力が大きかった。今回の昇格は誰かに頼るわけではなく、チーム全員で戦った結果と言えるだろう。

誰かに頼らず、全員で戦う。駅伝シーズンで勝つためには、チーム全員の力が必要不可欠だ。関東インカレでの躍動は駅伝シーズンに向けていい流れとなることは間違いないだろう。昨年の全日本大学駅伝3位を超えるものを、全員で掴みにいく。

(「学生陸上スポットライト」野田しほり)