メジャーリーグは1969年よりセーブを公式記録としている。近年は投手の分業制が徹底されていることもあり、ベスト10は1980年代後半以降のセーブ機会にのみ登板するクローザーとして活躍した投手で占められる。

通算セーブベスト10
名前(所属チーム) セーブ数 先発 勝-敗 登板
1 マリアーノ・リベラ(ヤンキース) 652 10 82-60 1115
2 トレバー・ホフマン(ブリュワーズ) 601 0 61-75 1035
3 リー・スミス(エクスポス)478 6 71-92 1022
4 フランシスコ・ロドリゲス(タイガース)437 0 52-53 948
5 ジョン・フランコ(アストロズ)424 0 90-87 1119
6 ビリー・ワグナー(ブレーブス)422 0 47-40 853
7 デニス・エカーズリー(レッドソックス)390 361 197-171 1071
8 ジョー・ネイサン(ジャイアンツ)377 29 64-34 787
9 ジョナサン・パペルボン(ナショナルズ)368 3 41-36 689
10 ジェフ・リアドン(ヤンキース)367 0 73-77 880
※2019年シーズン終了時

マリアーノ・リベラは1997年にクローザーに定着以後、大きな故障なく強豪チームの守護神として活躍を続けたことが歴代1位になった要因だ。2004年にマークしたシーズン53セーブを最高に、最多セーブを3度、シーズン40セーブ以上を9度記録している。リベラに破られはしたが、史上初の600セーブをマークしたのがホフマンだ。こちらも1994年にクローザーに定着してから故障した2003年を除き、2010年まで毎年二桁セーブを挙げつづけた。シーズン40セーブ以上9度はリベラと同数だ。

ベスト10には先発登板一桁が7人と入団以来、救援専門の投手がほとんどだが、デニス・エカーズリーは1978年に20勝を挙げるなどもともとは先発投手として活躍していた。33歳の時に救援に転向しての350セーブ超、ベスト5入りは特筆ものだ。

現役では4位のフランシスコ・ロドリゲスが2017年にタイガースをクビになって以降もマイナーやメキシカンリーグで現役を続けているとはいえ記録更新は難しいだろう。現役の実質1位は346セーブのクレイグ・キンブレル(カブス)になる。通算13位につけており31歳なので、リベラと同じ41歳までに652セーブをマークするには、年平均30.6セーブが必要になる。2019年は故障で精彩を欠き23登板13セーブに終わっている。毎年30セーブ超なら可能性はありそうだが、2020年以降、故障なく安定して力を発揮できるか?

(『MLBアンチャッタブルレコードの真実』石川哲也)