2020年新年一発目ということで、1月にちなんだ半券を紹介しようと「コレクション」をひっくり返してみたが、もちろんシーズンオフの野球は見当たらず。

そこで今からちょうど13年前、2007年1月6日に八王子市民会館で行われた全日本プロレス「2007新春シャイニング・シリーズ」のチケット半券をご紹介したい。

ベルトの写真と全日本プロレスのロゴがあしらわれたデザインチケット。プロレスは門外漢で数えるほどしか観戦したことがなく、半券も3枚しか見つからなかったが、デザインチケットはこれが唯一。プロレスのチケットも野球と同様にプリント印字が一般的なようなので、珍しいものなのかもしれない。実際、八王子の前に行われた、同じ2007年の新春シャイニングシリーズ後楽園大会の半券は、プロレスグッズ買取販売サイトによれば300円ほどの値段がついていた。300円という値段が高いのか安いのかはよくわからないが。

このチケット半券がなぜ、手元に残っているのかというと、当時、某新聞社の八王子の地域情報誌の記者をしていて、チケット販売を請け負っていた某新聞関係者より余り券があるからと招待されたのだった。

会場は八王子市民会館とあるが、現在、八王子駅南口にある「オリンパスホール八王子」のことではなく、かつて上野町にあった旧市民会館。成人式や吹奏楽部の発表会などをやる、ステージのある一般的な市民会館だ。はたしてどういう風にリングを設営するのかと思ったら、ステージにドカンとリングをおき、観客はステージ上の両サイドと客席から眺めるというかなり強引なスタイルだった。

全日本プロレス「2007新春シャイニングシリーズ」八王子市民会館(観衆800人)

メインイベント
第6試合60分1本勝負

○小島聡
 佐々木健介
 中嶋勝彦
 (1-0)
 TARU
 近藤修司
●”brother”YASSHI

  

メインイベントは風変わりの会場設営に対して、TARUら悪役レスラー陣が「一応、東京都民の八王子の連中よ。おいおいなんだよ、この会場は。だから田舎モンは困るんだよ」と観客を挑発。佐々木健介ら正義の味方がとっちめるという筋書き。途中、悪役の連中が急所を攻撃するなど危ない場面もあったが、17分49秒に小島聡がラリアットからの片エビ固めでYASSHIを下し勝利。正義は勝つ。八王子を馬鹿にした奴らは負けるのだ! と留飲を下げたのだった。

(「プロ野球半券ノスタルジア」石川哲也)